
自己啓発
たとえば壁に貼られていたりする、自己啓発的な言葉を目にすると、まあそれはそうなんだろうけど、だからどうなんだ、という気分になる。例えば先日見たのは、仕事で他人を引きつけるのは、自由を好む性格だが、その秩序を守るべきと判断したら進んで自由を放棄する。約束は絶対やぶらない、みたいな文句だったけど、結局のところ意味のないように思える。
どんな言葉であれ、性格や生き方に関して言えば、それをイメージし、目標を達成するのは容易い。明るい人間に今日からなるぞ!とその気になれば、もうその人は、明るい人なのだ。でもそういうことじゃない、とあなたは思うだろう。太田もそう思う。問題なのは、なりたい自分をいつもパーフェクトにこなし、周りにも認められることだ。それはものすごく大変だ。その日によってうまく変わることもできるし、まったくもってセンスゼロという日もある。協力してくれる人も、邪魔してくる人もいる。並大抵ではない。
でもその手の本には、そういう継続するためのノウハウみたいなのはほとんど見られない。あっても少しずつ変えていくとか月並みなものだ。あとは努力と根性、という感じなのだろうか。だとしたら読む意味はない。好きな人や好きな映画や好きなアイドルから影響を受ける方がよっぽど健全だ。
自分がどうしようもなくダメな人間に思える日もあるし天才かも!と有頂天になる日もある。もうそれはどうしようもないことだと思う。無理に自分を変えようとする前に、まずはどうしようもない自分とどう楽しく付き合っていくかが大切なんだと思うけどね。というのも月並みだけど。
(2009年1月01日更新)
by 太田ルイージ