ひとり陰湿

死んでしまった土曜日

今の学校は週休2日制が当たり前になっているけど、自分が子どもの頃、土曜日は半日授業があった。今考えると、よく土曜日まで学校に行ってたよな、と思うけど、当時はそれが当たり前だったから、かったるいとも何とも思わなかった。むしろ土曜日に学校のない、今の子どもがかわいそうとすら思ってしまう。

土曜日の魅力を語らせてもらえば、まず土曜日半日学校に行けば、午後に友達と遊ぶ約束ができる。お昼を食べて、自転車に乗って友達の家に行く。土曜日の昼はいつも不思議に静かだった。世間全体が昼休みをとっているから静かなのかな、と思ったりした。土曜日の昼食はいつもラーメンだった。これはテレビの宣伝かなんかで流行っていたのかな。インスタントラーメンや、ペヤング焼きそばばかり食べていた。一週間の終わりで、ちょうど給食に飽きてきたところなので、なおさらこういうものが旨かった。

たまに、アホみたいにしつこい道草をして帰る時もあった。20分くらいで歩ける道を、2、3時間かけてゆっくり帰った。大抵友達と一緒だったけれど、1人のときもあったような気がする。こんな風にゆっくり帰れるのは、学校が終るのがお昼だったからである。普通の日だったら、暗くなって寒くなって、下手すれば誘拐されてしまう。

もちろん今述べたことは、別に土曜日に半日学校に行かなくてもできる。友達と遊びたければ電話をすればいいし、ラーメンは好きなとき食べればいい。道草だってどうしてもしたければ鞄を背負ってその辺をブラブラしてくればいい。わざわざそんなことをする奴はいないけど。でも半日学校へ行った後は、やるべきことを果たした後のようなリラックス感があって、何をするにも心が軽い。そしてまだ日曜日は来ていない。宿題のことも、面倒なことも、明日になってから考えればいいのだ。

もちろん、今さら土曜日を復活させても、鬱陶しいだけだし、自分が今小学生だったとしても、歓迎的な気持ちにはなれない。もうとっくの昔に土曜日は死んでしまったのだ。

(2009年1月01日更新)

by 太田ルイージ

コメントを書く

名前:

コメント(500文字まで):