
怖い話は本当でなくてもいい
子どもの頃から怖い話や怪談が好きだ。世界の7不思議みたいなのにも目がない。さらに言うと、好きなのはお話やテキストで、映像はそうでもない。ホラーとかだと気持ち悪かったり、びっくりする内容なので、ちょっと自分の趣向とは違う。じわりとくるのがいいのだ。聞いた時はあまり怖くなくても、後からボディブローのように効いてきて、例えば夜中にひとりでネットをやってて、ふと背中に気配を感じてしまったり、という感じがいいのだ。
ちなみに太田には霊感というものが全くない。ものすごい怖がりなので、なくて良かったと思うし、これから先も欲しくない。怖い話は純粋にエンターテイメントとして好きなのだ。例えばジェットコースターが好きなのと一緒だ。怖いのが楽しいのだ。ちなみに太田はジェットコースターにも乗れないけれど…。
さて、怖い話と言えば実際に起こったことというのが、お決まりとなっている。心霊写真とか心霊スポットというのは、決して人為的に作られたものであってはならない。本当にあった、というのは怪談を盛り上げてくれる一つの(そして大きな)要素だ。実際にあった話なら、自分の身にも降りかかるかもしれないと思ってしまうのである。でも純粋に楽しみたいタイプの太田としては、怖い話は必ずしも本当に起こったことでなくてもいいような気がする。というのも、本当にあったことは時として脈絡がなさすぎたり、盛り上げに欠けたりと、話として完成度が低く、物足りなく感じるからだ。もちろん本当にあった、または本当にあったこととして作るのだから、変に体裁が良すぎると、かえって興ざめである。だからジャンルとして、怖い作り話、というのがあってもいいと思う。
(2009年6月02日更新)
by 太田ルイージ