ひとり陰湿

ビールの広告

ビールやお酒の広告を見ると、はんこで押したように”お酒は20歳になってから・飲んだら運転するな・飲みすぎるな・楽しいお酒を飲め”みたいなことが書いてある。冷静に見ると、小言を言われているみたいで、うざったくなる。でも、これらはたいていは隅のほうに小さく追いやられている。まあ広告を出す側にしてみれば、そんなことをアピールしたいんじゃなくて、そういう表示が義務付けられているから、しょうがなく載せているのだ。でも、これってもう少しどうにかならないのだろうか。

先日見た電車の中吊り広告は、下のほうのスペースに一行にまとめられ、まるで棒読みのセリフみたいに「お酒は20歳・・・」の一連の文句が羅列されていた。特別に小さい文字というわけではないけれど、文字の色は薄めの水色で、間違っても目立つ色ではない。法律等で文字の大きさや、色が決められているだろうから、そのギリギリを狙ったんだろう。やる気のなさを通り越して、悪意のようなものすら感じた。「こーんなにクールなデザインのうちの広告ですが、それを邪魔しちゃっている人がいます。それは・・・」とまるで、いじめか見せしめにしているかのようだ。かわいそうな「お酒は20歳・・・」。

モットーというほどではないけれど、太田は昔から、一度決まったことに文句は言わない、今の条件で出来ることを最大限に生かす、ということに気をつかっている。だから"嫌々やっている"このビールの広告に嫌悪感を抱いたのかもしれない。あの手この手を使って一所懸命目立たなくしようとしているように感じるのが、嫌なのだ。もし太田が作るとしたら、全体の4分の3を「お酒は20歳・・・」にして、残りの4分の1をビールの写真やコピーにする。どうせどうしても表示しなければいけないのなら、思いきりやったほうが意表をついて、いいと思う。

でもきっと企業の広告には見えないだろうな。太田はつくづくお金儲けとかそういうのには向かないんだと思う。

(2010年1月07日更新)

by 太田ルイージ

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