ひとり陰湿

継続

昔から何かをコツコツ続けるのが苦手で、というか飽きっぽい性格で、何か熱中していても、1,2週間もすると嘘のように熱が冷めてしまうことが多い。性格的にはマニアックなことが好きなのに、この飽きっぽい性格のせいで、本当のマニアと呼ばれる人の知識には遠く及ばないのである。

だからこのサイトは開始からもう2年半くらい経つけれど、ここまで続くのは自分の中では珍しい。ただ珍しいと言っても、2年半休まず続けたわけではなくて、1年目も2年目も、途中で数ヶ月更新しない期間があった。この休んだ期間は飽きてしまったというよりも、更新するほど心に余裕がなかったためなのだが、一度休んでしまうとなかなか復帰できなくなってしまうのである。アイディアがあって、それがかなり具体的なイメージになっていて、朝起きたときに「今日仕事終わって家に帰ったら更新しよう」と思っても、いざ家に帰ると面倒臭くなって、結局何もできなくなってしまう。友人達からも「いい加減更新しろ」と言われるのだが、つい「お前らが全員見なくなったら更新する」と強がってしまうのである。

とは言うものの、本音では「別に仕事でやってるわけでもないんだし、無理して更新する必要はない」という考えがある。むしろ毎日欠かさず更新することのほうが、異常というか、軽はずみなことだと思っていた。例えば毎日ブログを更新する人がいるけど、何を食べたとかどこに行ったとか、そんなことをただ報告するだけで、何が面白いのだろうか、と思ってしまう。芸能人ならともかく、一般の人のそんなのを読みたいのだろうか?

太田の周りでも、毎日欠かさず自分のサイトを更新する友人がいるが、最初に見たときには、正直あまり内容的に感じることがなかった。もし書いているのが自分の友達でなければ読まないだろうと思った。ところが何日か連続して読むと、すっかり日常の行為となり、パソコンを立ち上げると、まずそのページを見るようにまでになってしまった。

そうなって初めて気づいたのが、毎日の行動というかそれを記した文章を読んでいると、その人の調子のバイオリズムまで見ているような気になってしまうのである。わかりやすい例だと「疲れた」とか「更新が面倒臭い」という内容だけど、それ以上にちょっとした言葉の言い回しとか、全体の雰囲気で、そのときの心の状態まで見えてしまう、というか見えているような気になってしまうのである。

結局、これが毎日続ける事の最大の魅力なのだ。気力が満ち溢れている日でもそうでない日も一定の量の文章を書くようによって生まれるリアリティがあるんだということを知った。大げさに言うと、その人の人生をなぞれるのである。これは太田のスタイルとは間逆だけど、とても魅力的なことなのだ。友人のサイトは今日現在も途切れることなく続いているので、これからも応援していきたいと思う。

(2010年2月06日更新)

by 太田ルイージ

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