ひとり陰湿

致命的な欠陥

子どもの頃から一貫して方向音痴である。

車でも電車でも自転車でも、行った事のない場所でも家の近所でも同じように迷う。道順というものがぜんぜん覚えられないのだ。先日も友達と車でコンビニに寄った後に「で、どこいけばいいの?」と聞かれたのだが、太田は「来た道戻って」と言って、来た道と全く違う方向を指差した。もちろん、間違えたというわけではなく、本当にそっちから来たのだと思っていたのだ。

もともと積極的に外に出かけるタイプではないので、そのせいで道に疎いと考えられる。道に詳しい人は、よく出かけてるうちに覚えてしまうそうだ。さらに太田の場合、交差点の目印など、見たものを単純に覚える、という行為がすごく苦手なのだ。以前も書いたけど、昔から漢字や英単語の暗記が極端に苦手で、道順を覚える行為も、自分の中ではそれと同じことと考えてしまっている節がある。

というわけで新しく知り合った人には、なるべく早い段階で「俺方向音痴なんすよ」と言うようにしている。そうしないとあてにでもされたら大変である。それでも例えば仕事で誰かを送迎したりするときなど、どうしても避けられない事態があるので、そういう時は本当に緊張して、普段の1.5倍くらい気持ち良くない汗をかく。

そんな時に知人から「いいか?道に迷ったら家を見るんだよ」とアドバイスを受けたことがあった。家は山間部とか特殊な場合を除けば、必ず南を向いているので、道がわからなくなったときに家を見れば、方角がわかり、それ以上はひどい迷い方をしないというのだ。これを聞いた時は思わず「そうか」と膝を打ったが、よく考えると、これじゃ狩に出て迷った縄文人にするアドバイスと変わらないじゃないか、という気がしないでもない。だからというわけではないが、相変わらず道にはすぐ迷う。

ただ方向音痴のおかげで、ひとつだけ身につけた能力がある。それは、地図を見るのが早いということである。自分では全く意識したことはないが、太田は地図を読むのが結構早いらしい。考えてみれば当然で、どうせ迷うとわかっているので、最初から地図をよく読むようにしているのだ。恐らく人より地図を見る回数は多い。

だからと言ってあまり自慢できる長所ではない。道を間違えたことによって経験したトラブルや、人間関係の悪化を考えれば、いくらなんでも代償が大きい。デートの時に道に迷うのは本当にカッコ悪いしね。

(2010年2月27日更新)

by 太田ルイージ

コメント

まさかのまかろに
2010/02/27 02:21

僕はお尻からギ酸をだしてるので迷いません。あなたもこれからそうしてみてはいかがでしょう。

>>とても実用的で魅力的な能力ですね。ですがそこからデートが大成功!というイメージにどうしても結びつきません。
310妻
2010/02/27 02:35

あたしも方向音痴。地図も苦手。カーナビも役に立たない。「その先…」て言われるとすぐに曲がってしまうから。短気な人とドライブは出来ません。喧嘩になるので。だけど、わたしは元気です。

>>太田もカーナビとケンカしたことあります。あと頭にくるのが立体交差。地図で見るときは交差点に見えるのに、実際はそれよりも前に曲がらなければいけないなんて。いつもそこから悪夢が始まるのです。
310
2010/02/27 12:48

私のように太陽と星の位置から自分が地球上のどの辺りにいるのか割り出す方法が良いと思います。さぁLet’sマヤ人!

>>うん、あなたのアドバイスはどちらかと言えば新大陸を発見するときなどに役に立ちそうですね。

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