
桑田佳祐「鏡」
以前桑田佳祐の「孤独の太陽」は私の中で、青春の象徴であるみたいなことを書いた。
そこに収録されている「鏡」はまさに思春期ど真ん中、という曲である。内容は、鏡に写った自分について歌った曲なのだが、歌詞の内容が、ある程度の深さがあって、かと言って難解すぎるわけでもなく、当時中学生だった自分にとっては、ちょうど良い内容だった。例えば「互いを嘆きあう二人」という歌詞があるのだが、今思えば、自分と鏡に写った自分なんだな、と簡単にわかるけど、当時はなかなか気付かず(だいたい2人というと、男女のことばかりだし)タイトルとの関連に気づいたときは、霧が晴れたような、爽快感があった。
「鏡」を聞き始めたのは15歳で、その時は自覚はなかったけど、この曲のように初めて自分と向かい合った歳だった。今思うと、私の心の成長の仕方は歪で、ある部分では、ものすごく冴えていたけれど、理解しなければいけない肝心の部分が全くわかっていなかった。
恋をしていた。死ぬことについて考え、それを作文にまとめて教師に提出したが、全く相手にされなかった。進学する高校を決めて、受験勉強もしなければならなかったけど、全く身が入らなかった。なりたい自分をイメージできないくせに、現実の自分とのギャップに苦しみ、自分に失望した。いや、本当はわかっていたのに、それを表に出す勇気がなかったのだ。生き方について、誰からも責められなかった。期待もされなかった。反発したくても、反発する相手がいなかった。誰かに理不尽な事を言われたかった。
「鏡」の歌詞のように、私はひたすら、自分を嘆いていた。そう考えるとこの歌は当時の自分の心情をよく表している。だからこの歌は自分のための歌なんだと思う。でももう一歩踏み込まなければならない。実際は自分のための歌なんかじゃない。
なりたい自分とのギャップ、そこから生まれる失望。これは誰もが一度は抱く感覚であり、決して自分一人の苦しみではないのだ。私たちは成長する。大人になる。それは、意識的でも無意識的でも、自分が特別でないことを思い知ることだ。もちろん、悩みは老若男女いくらでもある。苦しみは一生続く。でも、その意味合いは根本的に違ってくる。私たちは、少年少女のような苦しみ方をしてはいけないのだ。誤解を覚悟でいえば、少年少女は生きるか死ぬかで悩み、大人は生きるために悩むのだ。
私は、決して特別な存在なんかじゃない。
by 太田ルイージ
コメント
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